「自衛官募集のため」“市民の個人情報”を無断提供…自治体の運用ルールに“法的根拠”なし? 問題点を弁護士が解説 4
「自衛官募集のため」“市民の個人情報”を無断提供…自治体の運用ルールに“法的根拠”なし? 問題点を弁護士が解説 4
「自治体による違法行為」が国民に正しく認識されていない
自治体による自衛隊への名簿提供について、法的観点からの問題点を考察してきた。侵害留保原則に反し、個人情報保護が蔑ろにされ、個人のプライバシーが侵害されること、思想信条の自由を侵害しかねないことなど、重要な法的問題があることが明確になったかと思う。
個人情報を自衛隊に提供していない自治体は問題ないが、自衛隊に個人情報を提供している自治体の対応は、幾重にも違法であると言える。
折しも、北海道弁護士連合会は3月26日、「自衛隊への個人情報提供に関する意見書」を公表し、自治体に対して、個人情報の提供について、個別に本人の同意を得ることなく行わないよう求めた。自治体自身が、誤った対応を即座に改めることを求めたい。
現在、全国的にこのような違法行為が行われていることについて必ずしも国民に正しく認識されていない。しかし、正しい理解が国民に広がり、早急に取扱いが改善されることを期待したい。
■幸田 雅治(こうだ まさはる)/神奈川大学名誉教授、弁護士
1979年東京大学法学部卒業後、自治省(現総務省)入省。以後、内閣官房内閣審議官、総務省自治行政局行政課長、総務省消防庁国民保護・防災部長等を歴任。2014年から2026年まで神奈川大学法学部教授。2013年に弁護士登録。日本弁護士連合会自治体等連携センター委員ほか。主な編著書に、『地方自治論』(法律文化社、2018年)、『「地方自治の本旨」を侵害する補充的指示権』」(日本評論社、2026年)
幸田 雅治(神奈川大学名誉教授、弁護士)

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